英語の勉強は何から始めたらいい? にひとつだけ答えるなら

字幕なしで映画が観たい、英語で書かれた小説が読めるようになりたいという目的の人もいると思いますが、恐らく多くの人にとって「英語ができる」というのは、「英語で会話ができることを」指していると思います。

「英語ができる」ようになるには、単語を覚えなくてはいけない、文法も勉強しなければいけない、リスニングもできないといけない。
しなければいけない勉強がたくさんあって、結局なにをどう始めたらいいのか途方にくれますよね。

単語も文法もリスニングも並行して全部するのが理想ですが、私があえてひとつ答えるなら…

まずは英語の語順で理解することを目指す

なぜ初めに英語の語順で理解することを目指すのか。

私のいわゆる「アハ体験」とでも言いますか。
あくまで感覚的なものなので、言語学的根拠のある答えを求めている方には参考にならないかもしれません。
そういうこともあるということをお伝えしたいです。

私が洋書を読むことと並行して英文解釈を勉強しているとき、突然、単語が並んだ順番に自然に頭へ入ってくる感覚になりました。

その感覚を経験してからは、英語を聞く時も前からするすると言葉が入ってくるようになりました。

聞く時は返り聞きはできません。
この英語の語順で理解できることが重要なカギになります。

とにかく英語の文章を読む

文法の勉強はひとまず後回し

英語から離れて時間が経ちすぎて文法はほとんど覚えていないという方でも、とにかく英語の文章を読むことから始めてください。

初めに文法書を一冊終えるという勉強法もありますが、事前に一通り目を通すよりもわからないことをその都度調べる方が記憶にのこりやすいと感じます。
知りたいという好奇心は理解力につながると思います。

私は文法書は辞書のように使うので、

「表現のための実践ロイヤル英文法」(旺文社)

を手元に置いています。
目次や後ろの索引を利用して、知りたいときに必要な箇所だけを読んでいます

レベルを上げていく洋書がおすすめ

本屋さんへ行くと英語関連の書籍が多数並んでいます。
リーディングのコーナーを探せば英語を前から読むことを目指して解説された教科書もたくさん見つかると思います。

ネットからであれば、「英語脳」とか「スラッシュリーディング」といった語から、英文を前から読むための教科書を検索することもできます。

ただし、ここでは「英文読解」とか「英文解釈」といった学生の試験対策のような教科書は選ばないでください。
一文を丁寧に読むものではなく、少なくとも数文から成る段落で構成された、お話のようなものがいいでしょう。

洋書を扱っている大きい書店へ行くと、Oxford Bookworms LibraryPeguin Readersといった、徐々にレベルを上げていけるシリーズ本があります。

レベル0から6くらいまであり、英語のみで書かれています。
段階的に文章が長くなり、単語レベルも上がっていきます。
レベル0ではアメコミのようなマンガもあり、絵からも内容が十分にわかります。
簡単過ぎると思っても、とりあえずレベル0から始めてください。

各レベルに恋愛もの、ミステリー、科学、フィクションなどいろいろなジャンルがあるので、興味のあるものを選ぶといいと思います。
有名な作品も原文から易しく書き直されているので、気軽に読むことができます。
私はグレート・ギャッツビーや嵐が丘などの、タイトルだけは知っているという古典をいろいろ読みました。

各レベル3冊ほど読んでみて、次のレベルに行けそうであれば進み、まだ難しければまた元のレベルに戻ってもいいでしょう。

英語の語順で読むための具体的方法

辞書を使わずに読む

読むリズムを止めないでください。
何度も同じ単語が出てきて、それがわからないと話全体がわからないというものだけとりあえず印をつけておき、二度目に読む前に調べてください。
読むリズムを止めないためにも、印をつける行為も最小限がいいでしょう。

返り読みしない

とにかく後ろへ後ろへ進んで、決して前に戻らないと決めて読んでください。
慣れないうちは意味があいまいなままになるかもしれませんが、そのまま次の文へ進んでください。

スピードを意識して読む

帰り読みを防ぐためにも、一文を前から一気に読んでください。
たとえ少し意味がぼんやりしていても次の文へ進んでください。

一冊を数回繰り返し読む

一回読んで終わりではもったいないです。
繰り返すことで理解度が上がります。

短期間で一気に読む

前から読むための教科書や洋書は、少しずつでも毎日読み、できるだけ2、3ヶ月の短期間で一気に読み終える計画にしてください。

英文に慣れたら多読

訓練期間を終えて英文に慣れてきたと感じれば、普通のペースで好きなジャンルに挑戦してみてください。
ただし、Oxford Bookworms LibraryやPeguin Readersは学習者向けに易しく書かれているので、普通の小説やビジネス書にチャレンジすると難しく感じることもあります。
子供向けの冒険小説などから自分なりのレベルアップをしていくといいでしょう。

英語の語順で理解できれば、話せるようになるか⁈

ここまで散々英語の勉強法を語ってきましたが、私は英語が話せません。

今は翻訳(英文和訳)の学習中で、そのために読む練習を重ねてきました。
おかげで、英文を読むことにはそれほど悩まずに、本来の目的である自然な日本語に変換するということに集中できます。
もし、英文を解釈する段階で苦労していれば、翻訳作業全体に倍の時間がかかってしまっていたことでしょう。

英語を英語の語順で聞き取れるようになってからは、話すための勉強がしてみたくなりました。
そのつもりで勉強すれば上達は早いのではないかという好奇心が大きくなってきています。
そのうち、チャレンジ企画として検証してみたいと思います。